占いを賢く利用するには

実例〜皇太子殿下

来年は今上天皇の譲位と皇太子殿下のご即位、すなわち年号が変わることが決まっています。

という訳で皇太子殿下、つまり次の天皇陛下の命式を拝見してみたいと思います。

 

皇太子徳仁殿下  1960.2.23生 16:15

時 日 月 年

丙 辛 戊 庚 干    大運 54-63

申 巳 寅 子 支            64-73

日干 辛 金の陰の人  

身弱  ほぼ陽命 仮の財格

喜神 金 湿土 

忌神 木 燥土 火

閑神 水

 

なるほど皇室の正統な命運を持って生まれてきた方だというのが年柱の庚 子によく表れている一方で、巳と申の支合で両者ほぼ無力化しているのが少々キツく、命運も大運も天皇陛下の長男、すなわち皇太子としての宿命からくるご苦労が続き、孤高の存在にならざるを得なかったご様子がうかがえます。陰干は剋を恐れず、と言いますが、それにしても過酷な時期が続きました。この間ややもすると批判の対象にされる様な偏りや頑固さも忌象として出ていた様に思われます。

しかし54歳から巡る大運が効いて、やっと自らの辛の星が勢いを増し、天皇にご即位の流れになったのも納得です。

即位後の我が国の天皇陛下としては辛の本領発揮で、クールでスマートな気品と輝きを増しつつ、現実的な面も手堅く進められます。しかし妃殿下(皇后陛下)との関係が気掛かりです。俗な言い方をお許し願いつつ記すと、配偶者としての妃殿下との運命的な強い縁はあれども運気的にはぶつかってしまうものがあります。天皇陛下としての存在感がある反面、妃殿下や愛子内親王様との皇族としてではではなく、家族としての関わりでご苦労があるとみます。

日本国の象徴として輝き、国民の注目を浴びる天皇陛下としてのお姿と、1人の夫や父としてのご苦労のギャップがあるのではないかと推察申し上げる次第です。

 

ところで皇族の方々は生まれた時間も発表されているので、キチンと四柱が揃うという点ではやり易い事例ではあるのですが、皇太子殿下の様に生まれた時からいずれ天皇に即位することが決まっていることからも分かる通り、そもそもが「推命」にはならないというか、公知のことの事後解説になりがちです。

四柱推命の占い師にとって興味深い事柄には事欠かない面がありつつも、あまりミーハーなことは書きづらいのが当然だと思うのですが、何故か巷には皇太子殿下に係る雑多な推命が溢れていて、四柱推命の名折れになるんじゃないかと心配になるほどです。

私は極端な保守でも国粋主義者でもありませんが、日本国民&中国式四柱推命の占い師の末席に名を連ねる者として、これだけは「推命」しておきたいと思います。

日本国の天皇陛下として、独自のスマートな雰囲気を持った存在感を発揮される時期が大運と共に到来しました。

それはあたかも今上陛下が、独特の味わい深い雰囲気で国民から絶大な人気があった昭和天皇とはまた異なり、慈愛に満ちた国民に寄り添う姿をお示しになったのと同じで、皇太子殿下は新・天皇陛下としての独自の輝きを放つ存在になられます。

・国民に笑顔を与えて下さった昭和天皇

・国民に勇気を与えて下さった今上天皇

・国民に誇りを与えて下さる皇太子殿下

と、一占い師が畏れながら推命申し上げます。

が、その陰で自らをすり減らすご苦労がついて回る様です。この点は本当に心配です。