占いを賢く利用するには

大運が与える影響のお話

四柱推命には大運という考え方があります。

元々持って生まれたものを命運と言いますが、大運とは10年毎に切り替わる運気のことです。

これは人の一生の流れにおいて、かなり大きな影響を与えます。

先日とある方のご好意を得ることが出来ましたので、参考事例の一つに使わせて頂くことにします。

 

時 日 月 年

丁 己 戊 丁 干   今の大運 壬 子

卯 未 申 卯 支   次の大運 癸 丑

日干 己 土の陰の人

やや身旺 ほぼ陰命

喜神:湿土 水 木

忌神:金 燥土 

閑神:火

月支の申がほぼそのままのパワーを保っている一方で、日干の己に一応未の根があることと、戊が月干に隣接しています。そして卯に生じられている丁が2つ。それぞれが己と戊を生じています。とはいえ未の根も丁の生もそう強力という訳ではないので、月支の申のパワーと比べて完全なる身旺とまではいかない命です。

命運に足りないのは水です。水が加わることで五行のバランスが良くなることと、日干己がそこそこ強く、金も木も命式中にあることから、財星の水が入ってもモロに日干がぶつかって押し負ける心配が少ないです。

で、以前の大運を見ると、確かに厳しい流れでありました。それが一つ前の大運で辛 亥が巡ってきたあたりから徐々に好転しています。(実際に概ね平穏だったそうです。)まあ、辛が余計ではありましたが。しかしこの方が気にしていたのは空亡です。子と丑が空亡なので、今巡ってきたばかりの壬 子と次の癸 丑を気にしておられたという訳です。前の子年と丑年の空亡の年が嫌なことが多過ぎて、大運が空亡というのが怖い、とのことでした。

 

結論から言うと、心配ご無用です。前の子年はちょうど大運が切り替わる時期だったことに加えて、それまでの忌神運が厳し過ぎた為に、いわばショックを起こした様な状態だったので回復に時間がかかった訳です。

今回は既に大運支亥の好影響で喜神運が馴染んでいます。だから前回ほどのギャップは感じずに済むでしょう。そもそも中国式は空亡はみないのですが、こうしたケースは「空亡なんかナンセンス」という言い方をするだけでは、なかなかその心配を解きほぐすことは難しいこともあるでしょう。そこで五行のバランスについて説明し、忌神である金の要素である申のエネルギーを水に流してあげることの意味を説明しました。確かに年運の巡り次第では今度は水が少々強くなり過ぎますので、その場合は木の要素である年支と時支の卯に援軍を送り、さらに火の要素も少し補充すると良い訳です。

次の大運が巡ってくると、大運干と月干が戊癸干合、大運支と日支が未丑の冲で未が消えますから、土が相対的に弱くなることと、今の大運に比べてまた水が弱くなります。したがってそこを補充することを考えれば良いのです。しかし大運支の丑は喜神ですから、未との冲で少し減力するといえども、大運の流れは喜の運を行く訳です。

 

実際過去の厳しい大運の頃はなかなか大変だったそうです。経験値から四柱推命の見立てに興味を持ったご様子でした。

他にもいくつか四柱推命用語に関するご質問があったのですが、命運+大運の大枠が喜の時はそんな細かい心配は要りません。大きな運気の流れが安泰だからです。そりゃ日々の運勢の話をすれば万事ウハウハという訳にはいきませんが、それでもそんな大事には至らないはず。

 

実はこのお話、占術の賢い利用方法に通じるものがあります。確かに「片思いの誰かさんから電話はいつかかってきますか?」てな当てもの占いには命術は不向きです。そういうのは既に述べた通り卜術の守備範囲です。が、その占いは本当に重要ですか?むしろ相手との根本的な相性や相手の気質をみて、その上で本当にご縁がある人かどうかをよく考える、そして自分自身の運気の流れを掴み、今のタイミングでどう備えるかの方が大切だと思います。

恋は盲目、とはよく言ったもんですが、無理筋の話に執着するとロクなことがありません。

占いに支払うお金を少しでも有意義なものにして欲しいと思います。