占いを賢く利用するには

恋愛相談こそ占術を利用するべし

占い師に寄せられる相談事の多くは男女の仲の案件です。で、ままならぬ流れの辛さ故に、何やら特殊な能力が期待出来る霊視霊感に目が向くのもよく分かります。

ま、その期待というのは単なる勘違いでしかないのですが。

何度も言いますが、霊視が恋愛を成就させてくれる訳じゃありませんから。指導霊や神様が「このご縁は無いよ。」と教えてくれたら、霊視の先生の答えとしてはそのまま伝えるのが誠実というものです。神様は数手先まで分かった上で教えてくれますから、その場はいい話でも半年先や1年後にはご破算になっていることも珍しくありません。逆に結婚に至っても、それは元々生まれた時から繋がっていた部分が具体的な形になっただけの話です。霊視で実現した話ではありません。

したがって、今月中に彼のほうから連絡があると教えてもらっても、実はそのこと自体にはたいした意味は無いんです。ところが霊視の先生は人間ですから、お客さんの様子を見てついつい「忖度する」ケースがあるのは私は仕方ないと思います。それを外れたのなんのと責めるのは殺生な話です。中にはインチキ商法も存在するのは問題だと思いますが。

 

そもそも霊視で結果を先取りするというのは、時として酷いものです。「ダメです、以上。」という答えの可能性があると腹をくくって聞いて下さいね。

いじわるばあさんという漫画がありますが、その中のネタに主人公のいじわるばあさんが、霊能者に亡くなった夫の霊を呼び出してもらうというのがあります。で、霊能者に亡夫の霊が降りてきて、

「ワシじゃ、何ぞ用か?」

と霊能者が言うや、いじわるばあさんは霊能者をボカッと殴りつけて、●月●日、芸者🔹🔹と浮気と書かれた亡夫の日記を取り出して

「用かもクソもあるか!浮気の証拠を見つけたんだ!」

と怒り、霊能者は

「私もうイヤ、この人の霊を呼び出すの。」

というオチなのですが、漫画だから笑ってられますけど、殴りはしないにせよ、霊視の先生に噛みつくのはこの漫画と同じくらいナンセンスなことなのだと思うくらいで丁度いいです。

 

実際色々見てきて、恋愛相談こそ占術向きだと思うんですよね。

・大きな運気の流れ

・短期的な恋愛や結婚向きの運気到来時期

・お目当ての相手との占術的相性

・健康面の強弱

こういうのを読み解いて推すのは、命術の得意分野です。現在進行形の流れを占うなら卜術の出番です。

また、良し悪しをビシッと言及して欲しい場合や攻略法を見つけたいのであれば東洋占術が、ふわっとした解釈の幅を広げたいなら西洋占術が向いています。

 

占術は長年の研究や占者が築いてきたノウハウの蓄積の賜物であり、人間の知恵が詰まっています。占術を否定するのは、人間社会の科学や芸術、文化その他を否定するのと同じです。

特に命術は一定の理論に基づくものです。●月●日にどこそこで見張ってたら、彼の浮気の場面を見つけることが出来る…という様な話には占術は確かに不向きですが、そんな彼の性質をみたり、占術的相性からの考察をすることで恋愛の先行きを推すことは可能です。その上で恋愛や婚活のプロセスを経ることが楽しくもあり、時として苦しくもあり、そのいずれもが良い思い出にもなり、後の成長を生むのです。

駆け引きを優位に進める為に結果を先取りしようとか、自分の方を向かせる為に何らかの力に頼ろうとか、そういう霊視の使い方をしていると、どこかで大外れして魂が絶望のどん底に陥ることでしょうし、本格派の霊能者はそういう相談に本気の霊能力は使っていません。

対面でも占いでも、利用する際はそのあたりを知った上でご利用なさることをお勧めします。