占いを賢く利用するには

筋書きの無いドラマ

野球でも何でも、スポーツ観戦の好きな人は負けた時の悔しさを知っています。

だからこそ優勝した時の喜びはひとしおです。ましてやそれが事前の予想では●●有利なんて言われていたのが、予想に反して応援するチームが勝てば尚更です。

 

占いに寄せられる相談事で多いのは、恋愛やらご縁のお話です。お気持ちはよく分かります。どうしたら上手くいくんだろう、自分にはいつチャンスが来るんだろう、あの時失敗したけど取り返せるかな…etc.と悩みは尽きません。

そして長い目で見ての相性の良し悪しや吉凶というのは確かにあって、そのあたりが気になるのはむしろ当然だとも言えます。

 

でもね、相手の気持ちが知りたいってのはどうなんでしょうね。仮に百発百中の占いや霊視があるとして、シーズン前に「今年は巨人が優勝する。」と言われたらどうですか?スタジアムに足しげく通いますか?バカらしくて試合なんか観る気になれないでしょう。

また、ここはエンドランのサインを出せば成功する、なんてのが100%見通せるなら、球団はコーチより占い師や霊視の先生を雇えばいいことになります。

そんなバカな話は現実にはありません。

 

占い師が自分の練習の為にスポーツの結果を占うってのは、結構やってます。私も例外ではありませんが、百発百中な訳がありません。そしてあくまでも練習であって、お客さんに提供することはありません。せいぜい友人知人との世間話程度に留めています。また、こういう練習はむしろ外れた時の方がためになるということも付記しておきます。

ついでに言うと、ひいきのチームを占うと外れ易いです。願望が入るとダメな典型例です。

 

話は戻って相手の気持ちのことですが、これってスポーツの勝ち負けを占うのに等しい行為だと思います。お相手はあなたに強い好意を持ってますよ、とか何とか言われりゃ安心するでしょう。その安心感が後の交際にプラスに作用する面もあるでしょう。

しかし、そこを手探り状態で進める、悩む、喜ぶから人間として成長するんです。一旦はダメだったのが、熱意や別のキッカケで急に進展することだってありますし、完全にダメだったとしても、別の人が自分に向けてくれる愛情に気づいた時に、それを大切にしようとか、その相手の心に応える際に過去の経験を活かすことが出来る様になるんです。

相手の気持ちを先回りしてキャッチし、そして恋愛を有利に進めるのは国家間の諜報工作と変わらないし、結局はマイナス面の方が大きいと思います。

そして、ご縁のある人は生まれた時点で決まっていることをお忘れなく。先回りして一時的に有利にコトを進めても、ダメなものはいずれダメになる時がきます。繋がっている人は、ダメかな…と思っても必ず好転する時がきます。

男女の仲は筋書きの無いドラマです。結果は神のみぞ知る、です。ショートカットしようとしても、それすらも神様の手のひらの上の出来事でしかありません。

神様はこうしたケースで試練を与えたり、元々各自が持つ天命の方向に軌道修正させている様に感じます。霊視の先生が外れる時のメカニズムの一つじゃないかと思います。前回の記事で一番外れて欲しくないことが外れる、てなことを書きましたが、霊視の先生が間違った情報を見せられることの一つがこれだと考えています。ま、合っているかどうかはそれこそ神のみぞ知る領域です。

 

占いや霊視を利用するなら、長い目で見て上手くいくか、運命的な相性をしているか、どんな傾向のある相手か、二股かけたりしてないか…ということを聞くのが賢い利用法です。

そして、男女の仲も断捨離です。どうみても無理筋なことに執着していると、次の良いものが入ってきません。他人事だと思いやがって、と感じるかもしれませんが、逆ですよ、逆。

この世に1人いればいい、最も大切な人に出会って、そしてうんと大事にしてあげて下さい。

占いや霊視はそれを補助、サポートする為の道具であって、問題解決の方法ではありません。人の心の移ろいや駆け引きに疲れた時に、せいぜい心の清涼剤程度にしておくことです。その清涼剤としての役目を果たせたら、その占い師さんも天命を一つこなしたことになる訳です。