占いを賢く利用するには

占いジプシー

占いジプシーという言葉があります。

こういうのを生み出しているのは販売する側の問題も大きい様な気がします。

確かに苦しい悩みを抱えていると、人間どうしても何かに助けを求めたくなります。それ自体はごく普通のことだと思います。占いの存在意義の一つであるのは確かですし、人の世に悩み事が無くなれば占いなんて必要無いでしょう。

しかし、販売する側の宣伝の仕方がいびつな状況を生み出しているのではないかという気がしているのも確かです。

 

抜群の的中率!

→ これはいいでしょう。まるっきり当たらなければそもそも話になりません。でもね、仮に的中率100%の占いや霊視が存在したらどうでしょうね?絶望する人を増やすことになりますが、それでもいいんですかね。おまけにお客さんの総鑑定時間は激減しますし、卜術は廃業ですよ。

「最近付き合いだした人のことなんですが…」

「ダメです。ちなみに貴女は3年後に別の人と結婚して、それから7年後に離婚します。シングルマザーで苦労して、52歳の時に前妻と死別した58歳の男性の後添いになり、それから15年後に死別し、貴女自身の寿命は78歳です。貴女が生まれた時に霊界から人間界に持ってきた役目の最後にくるのが●●で、それを果たしたらスンナリお迎えが来ますよ。」

以上、鑑定時間は20分。これ、当たってたとして嬉しいですか?また行こうと思いますか?的中率の高さを謳うとこういう矛盾に突き当たる側面があるはずなんですが、宣伝文句を考える人は考慮してるんでしょうか?

 

奇跡の波動で●●●!

→ 眉唾物にご用心下さい。何回も書きましたが、人の気持ちは変えられません。これは神様でも無理です。また、奇跡や偶然というのも滅多に無く、たいていの物事は必然です。こういうのが占いジプシーを生み出すんだと思います。カラクリは前にも解説した通り。命術もしくは霊視で、これは上手くいく可能性が高いと占い師が思った場合に、何とか出来るかもしれないから、波動を何たらかんたらしましょう、と言ってる訳です。最初の見立てが当たった人の話だけがクローズアップされるという訳です。昔テレビで有名になった超能力者の、壊れた時計が直った話のカラクリと手法は変わりません。

 

本物の●●力で成就!

→ こうなると嘘つけと言いたくなります。受験生が片っ端からその本物の力で第一志望の大学に入れますか?って話です。定員があるんだから絶対に無理です。略奪愛だの不倫でも同じことだと気づかないのかなぁ?と不思議に思います。1人の男性に5人の女性が一斉に本物の力を使ってもらったらどうなるんでしょう?少なくとも私はそんないい加減なことは言えません。

こういう謳い文句は、ダメな時にダメだと言える占い師や周囲の人々を萎縮させたり冷めた感覚にさせてしまいます。

A先生はダメだったけど、B先生ならなんとかしてくれるかもしれない、それでダメならC先生の所に行ってみよう…占いジプシーの出来上がりです。少しでも諌める様なことを言う人には食ってかかり、一切聞く耳持たない。アルコール依存症の人が酒の銘柄変えても、抜本的な解決にはならないのと同じです。

 

こういう派手な宣伝文句が生み出した占いジプシー、いやさ占い依存症の人々を生み出してしまうビジネスのやり方は、必ずどこかで破綻するんじゃないかと危惧しますし、私がこのブログを始めた理由の一つです。

 

占いというのは先を予測して、大難を小難に食い止める為の人間の行動をサポートする手段の一つです。それは霊視も同じです。

占いや霊視が願望を叶えてくれる訳ではありません。問題解決するのも目標達成するのも自分自身です。その姿勢と努力に神々様が力を貸して下さることはあっても、です。