占いを賢く利用するには

統計学というけれど

中国式四柱推命の様な命術に関してよく言われることに、一種の統計学だということがあります。

でもこの話は本当でしょうか?

四柱推命の起源に関しては諸説あって、12世紀に中国の徐子平が作り出したという説や、考え方の基本は紀元前だとも言われています。

一方で統計学という学問が出始めたのは17世紀であり、それだけみたら四柱推命やその他の命術を一種の統計学とするのは間違いだということになります。

西洋占星術も然りで、源流はメソポタミア文明にありますから、やはり統計学の一種だとみなすのは無理があります。

しかし、統計学なんていい方をするから17世紀になるのであって、国家というものが出来た頃から人口や戸籍調査の類いは存在した訳だから、データの集約と考えたら統計みたいなもんだろ、という見方もあるでしょう。

 

でもね、四柱推命の鑑定結果と実際の事象を紐づけして、有為なサンプルデータとして集約したものって見たこと無いんですよね。

日本式の話ですけど、年柱の上の通変星に比肩を持つ人は兄弟姉妹がいる、と言ってた先生を知ってますが、どうやらご自身の鑑定経験からくるものの様でした。確かにそんな統計データなんか見たことも聞いたこともありません。

つまりはそういうことで、各占術家の経験の積み上げと、それを理論化・書籍化したものでしょう。それとて基本的な四柱推命の枠から大きくはみ出たものではなく、十干十二支と命式八字が根本的に変わる訳ではありません。

したがって筆まめな人気占い師」が実体験に基づく新たな解釈を付け加えて書籍化した、というのが実態ではないかと思います。

例えて言うなら、芸術家が新しい技法を生み出して後世に引き継がれた様なもので、陶芸なら陶芸、絵画なら絵画の枠を出ないのと同じではないかと。

 

体験的に気づいた五行のバランスや十干十二支の傾向や特徴を統計と言っていいものか?

私個人はNoだと思います。強いて言うなら職人芸の積み重ねってところかと思います。