占いを賢く利用するには

実例〜カルロス・ゴーン氏

旬の話題で、日産CEOのカルロス・ゴーン氏についてみてみましょう。

1954.3.9生まれ 時間不明

時  日  月  年     大運  59-68 癸 酉

-  甲  丁  甲  天干

-  子  卯  午  地支

時柱不明につき、一応参考として

ほぼ陽命  身旺  禄刃格

喜神:土 金   忌神:木 水  用神 午

 

自分にパワーがある典型的な命式です。

指導的立場になる器を持っていて、困難を自ら乗り切ることが出来ます。ルノーや日産の大勢いる従業員の寄る辺になるには、これくらいのパワーがないと無理でしょうし、人に頼られるタイプの人でもあります。表現力も豊かで情け深い一面もあります。

しかし、典型的な身旺の通りで財星と官殺がありません。このあたりは時柱が不明であることから、少し割り引いて考えねばなりません。

もっとも官殺に関しては29歳からの大運で説明がつきます。命運も大運も官殺ゼロで今の地位はあり得ません。

現在喜神運の官殺の星が巡っている真っ最中ですから、職務上責任ある立場にあるのも頷けます。

が…官殺には忌象もあって、教科書のある部分だけ取り上げると今回の逮捕劇は官殺の忌象と財星がゼロで比劫旺強の忌象が出た、となる訳ですが、それだけだと過去十数年同じ状態だったのが何故今になって?ということの説明がつきません。もっと言えば大運支の酉のパワーに押し負ける様なヤワな比劫(自分自身の星)はしていません。

次に目を向けるとすれば、大運支の酉と月支の卯が対峙の冲といって、凶要素の一つではあるのですが、それにしても何故今?という疑問には答えられません。

そうすると今年の干支である 戊 戌 に着目することになります。土最強の巡りなのですが、土は喜神です。しばしばあるパターンですが、無かった吉要素が突然ドンと入ると、一種のアレルギー反応みたいなことが起きることがあります。特に大運の切り替わり時に注意とみるのですが、ゴーン氏の場合は大運ではなくとも年運でいきなり強烈なのが入ったからだな…しかも財星だし…お金に絡む忌象が出た訳だとみることになります。

 

要約すると、

・対峙の冲の10年間に要注意

・戊 戌 の年に金銭に絡むトラブルが起き得る

となる訳ですが、もうお気付きの通り、結果を見て分析しているだけです。

もしも事前にこの忌象をドンピシャで当てた中国式の四柱推命の占い師さんがいたら、相当な腕前だと尊敬しちゃいます。それくらい難易度の高い鑑定です。

見方を変えれば、これが占術の限界点だとも言えます。大きな流れには向くが、ピンポイントには弱い四柱推命という面が出ています。

これが他の占術なら比較的容易に予見出来るのかもしれません。特に3ヶ月〜半年程度以内にタロットや易断なら当てられたかもしれません。それにしても「あれっ、何か嫌なカード(卦)が出てるな…何だろう…」という程度で、脱税関連で逮捕とまでは分からなかったでしょう。

ついでに言うと、霊視でみえていたっていう人もいないと思いますよ。ゴーン氏と直接向き合っていたら分かったかもしれない、という程度のことでしょう。たとえ後からでも分析出来る命術ならば、過去の災いの原因を把握して未来に生かすという利用方法があります。

 

占いたい内容と占術の向き不向きを示す一つの実例として、占いファンの皆様は知っておかれると良いでしょう。

自分の相談事と占い師が使う占術にはこだわる方が代金が活きてきます。