占いを賢く利用するには

占術と占いビジネス

そもそも占術の起源は、何かをするに当たっての吉凶を事前に予知する方法にあります。

事前に吉凶を知り、行動の指針や判断材料にするのが占術の本質です。

技術や理論に磨きがかかるにつれ、開運法やら対策やらと肉付けも為されていますが、本質は突き詰めれば ⭕️か❌か? の二者択一の判断材料です。

 

ズバリと言うことを売りにしているご高名な占い師さんがいらっしゃいますが、占術の本質は元々そこにある訳です。

かの有名な三国志諸葛孔明が自分の死期を把握して、死後の策を授けておいたとされる五丈原の戦いの逸話がありますが、よく考えりゃ凄まじい話です。現代では占いの禁じ手とされる死期を占った訳で、自分で自分に「いついつ死ぬからこうしとけ。」とアドバイスした訳ですからね。

 

したがって「ズバリ言いますよ!」というのは、本来当たり前のことだと理解しておく必要があります。直言でも何でもないのです。

 

ところがそれだけでは現代のビジネスモデルとしては成立しづらくなっています。

「今の彼と上手くいきますか?」

「ダメです。お止しなさい。」

「じゃあ、私の結婚運はどうですか?」

「来年に小さな、3年後に大きな縁が巡りますよ。こういう人(●月生まれとか)が良いです。」

占術の本質は本来これだけです。後日別に書くつもりですが、霊視霊感も一緒です。

しかし上記の様なやり取りでカバーし切れない事柄が世の中には存在し、またそういうご相談が増えているのも事実です。

そこで登場するのが前回の話の続きで、話術や心理カウンセリングです。

「私結婚出来ますか?」とか「この人と上手くいきますか?」というご相談は、命術を使う占い師や本物の霊能者にはさほど難しい内容ではありません。ただ当てりゃいいだけなら、の話ですが。

それじゃただの当てものだろう、そこを上手く元気づけるのが求められているんだ…てなことを言い出すと、俗に言う「アゲ鑑定」に走るのが手っ取り早い方法です。こうなるともはや占術ではなく、占いビジネスと言うべきものでしょう。いい話に気を良くして、後日ガッカリ。でもって別の先生にみてもらい…と同じことを繰り返す訳です。

私個人の意見を述べれば、占いビジネスが悪だとは思いません。心の拠り所として、一旦はガッカリしても次の希望を持つことに役立つのであれば、愚痴を聞いてもらって気分転換になるのであれば、そして提供する側もそこをわきまえているのであれば、似た様なものは世の中たくさんあります。キャバクラだのホストクラブなんてのはその最たるもので、一時的にいい夢見せてもらい、清涼剤に出来るならそれでいいのです。そこまで極端でなくても、酒やら美味い食べ物、各種嗜好品に温泉にレジャーなんて全部そうではありませんか?

しかし占術の本質を外さない様にしつつ、長期的な開運法やパワーの高め方をアドバイス出来るのが現代の良い占い師だと思いますし、占術家でありたいと思うならば、ダメなケースはダメなんだなとお客さんに気づいてもらえる様に努力すべきです。そしてお客さんの側も、占いビジネスではなくて占いを利用したいのであれば、何故ダメなのかを占術の観点で一応は理解する必要があります。

 

そして非常に重要なことですが、人間が頭の中で考えていることや意識の中に入り込んで、それを変えることは神様でも不可能なことです。例えば明らかに他の人に向いている好意を自分に向けさせる秘法だの術だのは存在しません。そんなことが出来るかの様に勘違いさせてしまうタイプの占いビジネスには、近寄らないのが無難です。

その点霊視霊感を禁止している占いのお店は、古典的かもしれませんが良心的です。

これに関しては後日また書くつもりです。