占いを賢く利用するには

命術と卜術の不思議

占いを利用するお客さんも色々と予備知識をお持ちですから、この程度のことはご存知かとは思います。

・生年月日の様に生涯不変の固有のデータに基づく占術が命術。

・カードやサイコロ等の、その時に出た偶然の目を利用するのが卜術。

・ある程度の固有性はあるものの、少しずつ変わる、変える余地のある外見に基づく相術。

 

相術は対面式占いでしか使えません。理由は言わずもがな。人相でも手相でも電話じゃ見れませんから。

 

さて、実際に前線でやっている占い師さんは、この3種類のうち2種類、特に命術と卜術を使うケースが多いです。理由は明快で、

・長期的な運勢や運命的なこと、相性の良し悪しや物事の向き不向きなら命術。

・短期的な吉凶を占うなら卜術。

という得意分野の違いがあるからです。

占いを利用される方はこの点はよく押さえておくといいです。

前にも書きましたが、雑誌等の今週の運勢によく西洋占星術が使われるのは、西洋占星術が命術だからです。獅子座の人は生涯獅子座です。

時々見かける九星気学も同様。一白水星の人は生涯一白水星です。そして暦も天体の位置も、3ヶ月先の情報だって今から分かる話です。

ちなみに四柱推命がこの手の占いに不向きなのは、既に書いた通り八字全部、せめて六字を見て全体を俯瞰するのが前提にあるからで、日干が同じ甲であっても例に挙げた2人の赤ちゃんみたいなことがあるから、9種類や12種類の属性で収まりません。しかも日運…カレンダーによっては「ひのえうま」やら「みずのととり」等と書かれている…よりも、持って生まれた命運や10年毎に切り替わる大運を重視するからです。

私が日運までみるケースは、スポーツの試合や選挙の結果を自分の関心で占う時が殆どです。稀に恋愛系でどの日がいいかをみる程度。手術の日取りなんかは占いに頼らず、医者の言うことを聞いて下さいって流儀です。

 

ところが、命術と卜術を併用すると、実に不思議な現象を頻繁に目にします。よくある男女の話のご相談で、中国式四柱推命でお2人の命式を拝見して、パッと見ただけで⭕️か❌かがハッキリするケースがあります。

あーなるほどと思いつつ、ご相談内容の多くはお相手の気持ちが知りたいとか、上手くいくかどうかという話が多いですから、タロットを併用したりする訳です。

そうするとね、中国式四柱推命で「残念だけどこれは…」というケースは、タロットカードもメチャクチャな出方をします。タロット占い師の人なら分かると思いますが、どうリーディングしてお客さんに伝えりゃいいんだとか、どうみてもダメじゃねーかという出方しかしません。スプレッドを変えたり別のカードでみても似た様な結果。下手すりゃキーになるカードで同じのが出てきたりします。それも大アルカナの強烈なヤツが。

こうなると1枚ずつの解釈とかほぼ無意味で、全体を俯瞰してアウトだとリーディングせざるを得なくなる訳です。

相手の気持ちは中途半端、その気無し、スケベ心あるのみ、何考えてるか読み様がない…カードは教えてくれています、要するにダメなんだって。

逆にハッキリと⭕️のケースだと、これまた全体を俯瞰して「心配しなくていいよ。」とカードがズバッと教えてくれます。スプレッドの枚数が多くなればネガティブな意味のカードも混じりますが、そんなもんは気にすること無いです。

こういうところは卜術の神秘でもあり、正直な話命術との因果関係を、私は合理的には説明出来ません。タロットの場合は占い師のセンスや物の言い様もありますが、易学だとある意味残酷なまでにハッキリ言い切られてしまいます。

 

こういうことを目の当たりにすると、占う側としては命術と卜術を併用したくなります。俗に言う当たるも八卦当たらぬも八卦の要素を少しでも排除することが出来ますから。

私の場合は命術、すなわち中国式四柱推命が先です。この時点で大体の見当はついてしまいます。ここから先はご本人がどうするかです。アタックしてどうかの吉凶となると、卜術の出番です。ちなみに明らかに❌のケースでゴリ押ししても、大抵は無駄なことか別の形で悩みが生じます。それでもその占い結果を信じるか信じないかはご本人次第です。

 

もっとも、占術を完全にビジネスの手段と考えているなら話は別です。占術から離れて話術でカバーすれば済む話です。

それではこの続きは次回に。