占いを賢く利用するには

四柱推命〜日本式と中国式

四柱推命とは占術だ、というのが私の考え方だと前置きしておきます。

というのは、四柱推命はややもするとマティーニに関する議論みたいに、マニアックな話の隘路に入り込みがちだからです。

 

さて、四柱推命の命式の出し方ですが、今年の十二支は戌年ですよね。ここまでは広く知られていることです。

この十二支の上に十干というのが乗っかります。昔のランク付けに使われた甲乙丙丁…ってのがそれです。

で、今年は 戊 戌(つちのえ いぬ)の年です。

だから今年の2月4日〜来年の2月3日に生まれた人は、4本の柱のうち年の柱に 戊 戌 が入る訳です。

月も日も時間も同じ要領です。なので例えば本日・2018.10.19の早朝4時に生まれた赤ちゃんならば、

時  日  月  年

丙  甲  壬  戊  ←天干

寅  申  戌  戌  ←地支

という八文字を持って生まれてきます。

そんな訳で本家元祖の中国では 八字 と言います。

ここまでは男の子も女の子も同じですが、この先に男女の違いが出るので、四柱推命の占い師さんが性別を聞くのはその為です。

 

でね、大まかに中国式と日本式に分けた場合ですけど、中国式はこの状態からすぐ命式の解析に入るのですが、日本式はこの八字のみだと命式が未完成なんですね。まだ先の作業がある訳ですよ。

日本式四柱推命の命式の完成形を記すと、

 

時      日     月      年

食神          偏印  偏財   ← 通変星

丙      甲     壬      戊     ←  天干

寅      申     戌      戌     ←  地支

丙      壬     丁      丁     ←  蔵干

食神  偏印  傷官  傷官  ← 通変星

建禄   絶     養     養      ← 十二支運

 

ハイ、これで日本式の命式の出来上がり。ここから命式の解析を始める訳です。

なんつーか、私も日本人の端くれですから何となく分かるんですけど、良く言えば緻密、悪く言えば芸が細か過ぎる。

そして使われている漢字がショッキングに過ぎること。偏印(倒食とも言う)だの傷官だの絶だのと書かれた命式を、この赤ちゃんのご両親が手渡されて嬉しいでしょうか?

しかも赤字の傷官って何よ?と聞けば、月支元命と聞かされる訳です。元命ですよ元命。

日本における占い市場で、四柱推命が持つ大きな弱点はこのあたりだと思うんですよ。

 

・ややこしい、難解

・文言にガッカリさせられる

 

いや、傷官や絶って悪い意味じゃないんですよ。でも、占い師は分かっていても、お客さんはどうですか?説明したところで最初のマイナスイメージって人間なかなか消えません。

 

昔々とある超有名な神社でやってる鑑定に、並んで行った人がいまして、何やら達筆の筆文字で書かれた紙を渡されて説明を受けたのだがイマイチ分からん、説明してくれと頼まれたことがあります。

ええ、楷書でボールペンで書き直して渡してあげましたよ。傷官やら墓やら敗財やらって書いて説明しようとしたら、もう説明なんか耳に入っていきません。えーっ、何これ?状態。

でもって思い当たるフシに結びつけて、やっぱりダメなんだと勝手に落ち込むんです。んなもん人間誰でも悪いことや弱点の二つや三つありますよ。

 

実際にはもっと細かい話が色々あって、あーでもないこーでもないと論争になりがちなんですけど、市場や客が求めているのはそんな専門家のゴタクじゃありません。

 

そんな訳で私は中国式をベースにしつつ、日本式の解釈もたまに取り入れる様にしています。

このお話の続きは次回に。